韓国でビジネスをするうえで、日本との違いに最も驚かれる分野のひとつが会計監査制度です。象徴が「周期的監査人指定制」。上場企業などが6年間監査人を自由に選任すると、その後の3年間は当局が監査人を強制的に指定するという、世界的にも類例の少ない制度です。

この制度は、大宇造船海洋の粉飾決算事件などを契機とした会計改革の一環で、新外部監査法のもと2019年から施行されました。対象は上場会社と、所有と経営が分離されていない一定規模の非上場会社になります。6年間の自由選任の後、3年間は証券先物委員会が指定する監査人の監査を受けなければなりません。監査人指定制度はその後も対象が拡大され、制度の根幹は維持される方向が報じられています。標準監査時間制度や内部会計管理制度の外部監査義務化と併せ、韓国の監査環境は「世界で最も厳格な部類」に入ったといわれます。

一方の日本では、監査法人自体の強制交代制度はなく、業務執行社員(パートナー)のローテーションにとどまります。監査報酬の水準や監査時間に対する当局の関与も、韓国のほうが踏み込んでいます。この違いは、韓国企業グループの一員となった日本法人、すなわち韓国資本企業の在日子会社にそのまま波及します。韓国親会社はK-IFRSに基づく連結財務諸表の作成義務を負い、指定監査人による厳格な監査を受けるため、日本子会社に対しても親会社連結目的の報告パッケージや監査対応が求められるのです。

しかも実務では、日韓の会計基準差異、監査スケジュールのずれ、言語の壁が三重の障害になります。これを解きほぐす鍵は、日本側の監査人が韓国現地の監査法人――親会社の指定監査人――と直接連携し、韓国側の要求水準を理解したうえで日本の監査を設計することにあります。

弊法人SMASH国際監査法人では、韓国に親会社を持つ日本子会社への連結目的の財務諸表監査を多く受託しており、韓国デスクを通じて現地の監査法人・会計事務所と日常的に協議しながら監査を進めています。監査人の新規選任・交代をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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