米国Nasdaq上場は日本市場への上場に比し、多くの違いが見られますが、最も大きな違いは上場準備期間がNasdaq上場の方が日本での上場よりも圧倒的に短いことが挙げられます。下記に日米の市場への上場に関する上場準備期の比較を並べています。

 米国(Nasdaq)日本
上場準備期間6か月~2年程度2~4年程度
法律事務所の役割
監査法人の役割
SECの役割(日本では財務局)
上場準備コスト
種類株式の発行事実上、不可
上場準備中の予実比較(月次及び年次)問われない厳しく問われる

また、米国Nasdaq上場において、“FPI”や“EGC”に該当する場合は、より日本市場への上場に比し、上場前と後で緩和措置が認められています。

具体的には、上場前では下記のとおりです。

 米国(Nasdaq)日本
証券会社の内部体制整備への指導
内部監査室の設置不要(FPIには課されない)必要
遡及監査原則、可原則、不可
上場準備費用の繰延不可
IFRSの適用
SOXの準備外部は不要事実上必要
上場前規制なしあり

さらに、上場後において、FPIやEGCに該当する場合にも緩和措置が認められています。

 米国(Nasdaq)日本
決算開示制度四半期ごと(FPIの場合は年1回)四半期ごと
監査報酬
SOX監査EGCは上場後5年後開始(経営者評価は上場時に開始)上場後3年後開始(実質的に上場前に運用開始)
年次決算開示期限通常、決算日後90日(FPIは120日)決算日後3か月以内
四半期開示期限45日以内(FPIは開示義務無し)45日以内
上場後の決算短信作成義務任意(FPIは6-K)あり
予算発表なし原則、発表

※EGCは下記の要件に該当する企業で、Nasdaq上場を目指す日本企業の殆どがEGCに該当します。

● 直前の会計期間に下記の条件に見合った企業はEGCに分類されます。

  •  当該会計年度の年間売上高が10.7億ドル未満
  •  非転換型の社債や借入等の過去3年以内の発行額が10億ドル未満
  •  世界の浮動株が7億ドル未満

なお、EGCとして上場してから5年経過後の年度末までEGCとしての扱いを受けることができ、これは、FPI(後述)であっても該当します。

※FPIは下記の要件に該当する企業で、Nasdaq上場を目指す日本企業の殆どがFPIに該当します。

● 下記の要件に該当しない場合にFPIと区分されます。

  •  50%以上の議決権が直接的あるいは間接的に米国居住者によって保有されている
  •  役員の過半数が米国市民あるいは米国居住者である
  •  資産の50%超が米国に存在する
  •  事業が米国中心に展開されている

なお、lFPIに該当する場合、下記のメリットがあります。

  •  Annual Report(年次報告書)が期末日から4か月以内にファイルする
  •  Semi Annual Report(半期報告書)の開示は任意
  •  会計基準にUS-GAAPに加えてIFRSの利用が可能となる
  •  役員報酬に関する開示が簡素化できる
  •  Quarterly Report (四半期報告書)である10-Qや定期的な報告である8-K(FPIの場合6-K)は不要