昨今、弊法人にも韓国親会社の連結監査に関する問い合わせが増えています。ここでは韓国に親会社がある日本子会社法人への監査法人による監査に関する悩みどころを記載します。

韓国親会社の連結監査では、日本子会社に対する監査手続が、グループ全体の監査計画の一部として実施されることがあります。そのため、日本子会社の法定監査や任意監査が完了しただけでは、韓国側のグループ監査対応まで完了したとは限りません。グループ監査人が指定したリスク、重要性、報告様式、提出期限に従った追加対応が必要になる場合があります。

■ グループ監査で早期に合意したい事項

項目確認内容
監査の目的日本の法定監査、任意監査、構成単位監査など、求められる業務を明確にする
重要性・範囲グループ監査人が指定する重要性、対象勘定、重点リスク、監査手続を共有する
報告事項監査差異、内部統制の不備、不正・法令違反、関連当事者取引を整理する
言語・証憑日本語の契約書や議事録について、原本と要約・翻訳の対応関係を明確にする
日程日本側の報告日から韓国親会社の監査報告日までの後発事象確認を含めて管理する

最初に監査の目的と範囲を確認する

親会社が求めているものが日本の法定監査なのか、グループ監査人向けの構成単位監査なのか、特定の財務情報に対する手続なのかによって、必要資料と報告内容は異なります。依頼文と監査指示書を確認し、対象期間、財務報告の枠組み、重要性、対象勘定、報告様式、提出期限を日本子会社と日本側監査人に早期に共有することが出発点です。

グループ監査人との双方向の情報伝達を設計する

ISA 600(改訂)は、リスクに基づくグループ監査の計画・実施に加え、グループ監査人と構成単位の監査人との双方向のコミュニケーション、グループ監査人の関与、文書化を強化しています。構成単位の監査人が日本子会社で手続を実施する場合でも、グループ監査人はグループ財務諸表への監査意見の基礎となる証拠を評価します。重要な判断や発見事項を、監査終了時だけでなく監査期間を通じて共有できる体制が必要です。

短い報告期限と後発事象に備える

韓国親会社の連結日程が日本の法定決算より早い場合、期末後だけで全手続を完了することは困難です。監査指示書で求められた資料を一覧化し、期中から契約書、残高確認、関連当事者取引、重要な見積りなどの準備を進めます。また、日本側の報告日後も、韓国親会社の監査報告日までに発生した重要な契約、訴訟、資金問題、事業再編などについて追加確認を求められる可能性があります。

まとめ

グループ監査では、日本側の監査報告書を提出するだけでなく、韓国側が必要とする監査証拠と情報を、指定された形式と期限で提供することが求められます。期首に目的、範囲、重要性、重点リスク、提出期限を共有し、日本子会社、韓国親会社、日本側監査人、グループ監査人の連絡体制を整えることが重要です。

SMASH国際監査法人では、韓国に親会社を持つ日本子会社への連結目的の財務諸表監査を多く受託しています。類似のケースでお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先:info@smash-international.com

執筆者:福原智之 (韓国デスク:福原智之 – 主なメンバー – SMASH国際監査法人・アドバイザリー合同会社)