「Working Day 5(第5営業日)までに月次パッケージを提出」「年度末はWD10でサインオフ」──外資系企業の日本法人には、海外親会社からこうしたタイトな決算スケジュールが課されます。日本の商習慣を前提とした経理体制のままでは到底間に合わず、毎月の決算が残業と疲弊の温床になっている会社も少なくありません。本コラムでは、決算早期化の実務的なアプローチを紹介します。

なぜ日本法人の決算は遅いのか

決算遅延の原因を分解すると、多くの会社で以下のような共通のボトルネック(課題)とそれに対するアプローチが見えてきます。

決算を遅らせるボトルネック早期化への実務的アプローチ(処方箋)
1. 締め日・請求書依存の業務設計仕入先からの請求書到着を待たずに、発生主義に基づく見積計上(アクルーアル)の運用を徹底する。
2. 月次と年次の負荷の偏り減価償却や各種引当金の計上を月次で本決算に近いレベルで行う「月次決算の本決算化」により、期末の山を平準化する。
3. 属人化と手作業の多さExcelへの手入力や手順のブラックボックス化を排除し、クロージング・チェックリストによるタスクと期限の見え化を行う。
4. 親会社側との確認・質問の往復賞与引当金や消費税、償却資産など、日本固有の会計・税務論点に関する説明資料を英語であらかじめ整備しておく。

監査対応も「早期化」の一部

年度末については、監査対応そのものがスケジュールを左右します。期末日以降にすべての監査手続を行うのではなく、期中に内部統制の評価や取引テストを前倒しし、期末前1〜2か月時点の残高で実質的な検証を行う「ハードクローズ」を組み合わせることで、期末後の監査期間を大幅に圧縮できます。

これは監査人側の協力と設計力があって初めて実現するものであり、国際的なスケジュール感覚を持つ監査人を選ぶことが、実は決算早期化の重要な要素です。決算早期化は根性論では実現しません。ルールの見直し、タスクの見える化、そして監査人との連携という「仕組み」の構築が必要です。

SMASH国際では、外資系企業のリファーラル監査において親会社のタイトなスケジュールに対応してきた経験をもとに、決算早期化・決算体制構築のアドバイザリーも提供しております。監査法人の変更・新規選定をご検討の企業様も、まずはお気軽にお問い合わせください。

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  • SMASH国際監査法人・SMASH国際アドバイザリー合同会社
  • 担当: 森 大輔(公認会計士)
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